あがり症の治療例集

本郷三丁目・植村クリニックでの治療内容について、モデル症例でご紹介いたします。いずれの症例も実在の人物ではありませんが、同じような症状の方が多数通院されています。ところどころに私(植村院長)のコメントも入れましたので、当クリニック受診の参考にして頂ければ幸いです。

震えが主症状のあがり症

このタイプのあがり症が最も多く、当クリニックの患者さんの約9割を占めています。通常、震え以外に動悸を伴うことが多く、βブロッカーを緊張場面前に服用しておけば、動悸・震えの両方に奏功します。

職場のプレゼンで声や手が震える( 40代男性、会社員 )

最近昇格して課長になった。日々の業務はそれなりにこなしているが、毎月の定例会議で役員の前で業務報告があり緊張する。以前からプレゼンで緊張はしたが震えることはなかった。ところが役員の前で報告するようになってから、声やマイクを持つ手が震えるようになって、気にするとますます悪化する。あせってパニックになってしまい、話半分で終わったりする。自分の話す番が近づいてくると、また震えるのではないかと心配で、待っている時から心臓がドキドキする。次の会議が来週あるが、今から緊張して動悸がする、との訴えで当クリニック受診。

治療: 震えやすい体質の人が、昇格に伴う不安・緊張感の増大により振戦を来したものと診断。動悸・震え用にβブロッカー、過度の緊張には抗不安薬少量を会議前の頓服用に処方。薬は奏功し、以後、安心して会議に臨めるようになった。薬も漸減し、現在は時々、βブロッカーの少量を頓用している。

院長コメント: 動悸+声や手の震えが主症状の、最も多いタイプのあがり症。βブロッカーが奏功します。緊張の強い人には抗不安薬も併用します。環境になれてくると、薬を減らしたり、薬なしでいける場面も増えてきます。

保護者会で全身が震える (30代、主婦)

中学のころから本読みで声が震えるようになり、人前で話すのが苦手になった。子供が学校に行くようになり、保護者会に行くのが不安。新学年の4月の保護者会は休めないが、自己紹介の挨拶があるので心配、話す前から心臓がドキドキして口から飛び出しそうになる、話し始めると声も手足も全身震えてあせる、とのことで3月に当クリニック受診。

治療: これも、動悸+震えの最もスタンダードなあがり症のため、βブロッカーの頓服に補助的に少量の抗不安薬併用の処方を行い、奏功。副作用も特になく、服用頻度も少ないため、学校の行く時のみ十分服薬して安心して暮らせるようになった。

ピアノの発表会で手足が震える (50代、男性)

日常生活は問題なく、人前で話すのも平気だが、趣味で始めたピアノの発表会で、緊張して手が震えて困る。足が震えることもある。ピアノのレッスンの時は震えることはない。来月、発表会があって心配、とのことで受診。

治療: 演奏会でのみ震えるタイプのあがり症のため、βブロッカーを処方し奏功。人前で話すのは平気で、対人緊張は軽いタイプと判断し、抗不安薬は処方せず。

コンサートで右手が震えるバイオリニスト(30代、女性)

普段の練習では問題ないが、オーケストラやアンサンブルの本番になると弓を持つ右手が震えてしまい、思うような演奏ができない。数年前から気になるようになってきた。オーケストラなどで、小さな音でゆっくり弾くようなパートがあると不安・緊張が強まり、さらに震えが悪化して困っている。今度、オーディションを受けることになったので何とかしたい、とのことで受診。

治療:βブロッカーの頓服+弓を持つ右手の動きをしなやかにする目的で、抗不安薬も少量投与し奏功。仕事も順調にいくようになった。

院長コメント:バイオリンの演奏で手が震えるという方が、アマチュア、プロを問わず多数通院されています。ほとんどの人が弓を持つ右手の震えで悩んでいます。震えさえ治まれば良いという方はβブロッカーだけで十分ですが、腕の強張りも取り除いて右手の動きをスムーズにしたい時は、筋弛緩作用のある抗不安薬を少量併用すると更に効果的です。
 当方の薬の副作用で音感やリズム感に影響がないか、プロの奏者の方、数人にお聞きましたが、ビデオで確認しても服薬したときの方が良い音がでている、とのコメントを頂いています。

注射や点滴で手が震える (30代、看護師)

病院勤務で注射や点滴があると手が震えて困る。20代の頃は大丈夫だったのに、2~3か月前に苦手の患者の採血で手が震えて失敗してしまい、それ以来、また採血の指示がでたらどうしよう、と不安が強まり、それとともにますます震えが強くなり、最近は注射用のアンプルから薬液を吸う時まで震えるようになってきた。このままでは、仕事をやめなければいけないかと、途方に暮れて当クリニック受診。

治療:βブロッカーの効きやすい症状なので、長めに効くタイプを1錠のんで出勤。朝1錠飲んでおけば、勤務時間中は問題なく採血等をこなし、自信を持って働けるようになった。医療職なので、ミスがでるといけないので抗不安薬は処方せず。

 院長コメント: 多数の看護師さんが当クリニックに通院されています。ほとんどが採血などの処置で手が震えるという方々です。申し送りやカンファランスなどでの発表が苦手という方もおられます。診療中はβブロッカーだけを服用します。抗不安薬は医療ミスを起こしやすくするので、原則として使用しません(診療中でなければ、服用可能です)。

お茶出しで手が震える (30代女性、パート)

職場で来客にお茶を出す時に、緊張して手が震える。上司に手の震えを指摘されてから、ますます震えるようになった。他の仕事は問題なくできているが、いつ来客があってお茶を頼まれるかと思うと、それだけで不安で動悸がして、仕事に集中できない。いざ、お茶を頼まれると、準備をしてる時からブルブル震えてしまい、絶望的な気持ちになる。このままでは仕事を続けられないとの思いで当クリニック受診。

治療:いつお茶出しがあるかわからないため、長く効くタイプのβブロッカーを毎朝出勤前に服用。これで勤務時間中、いつお茶出しを頼まれても大丈夫になり、安心して働けるようになった。

就活の面接で震える (20代男性、学生)

大学4年生になり就職活動の面接が始まった。授業でのプレゼンなどは特に問題なくこなしていたのが、就活の面接になると過度に緊張して、心臓がドキドキ、顔はこわばり、声も震えてしまう。震えるのが恥ずかしく、早口になったり、小さな声になって、言いたいことも言えずに終わってしまう。結果は思った通り不合格で、このままでは自分だけ内定がとれないのではとあせって、面接日の朝に受診。その日の午後に本命の銀行の面接があるという。

治療:動悸・震えには標準型のβブロッカー、表情を和らげ、言葉がハキハキでるように抗不安薬を心持強めに処方。薬が奏功し、当日午後の面接も無事終了。結局、第一志望の銀行の内定がとれて一安心。

震えないタイプのあがり症

人前で震えるわけではないが、あがってしまって困るという方も当クリニックを受診されています。このタイプの方は1割程度ですが、その多くは内科的な薬で治療可能です。

会社の報告会で声がつまる(20代、男性会社員)

広告代理店の営業職、日々の営業の仕事は問題なく出来ているが、毎月の社内会議で業務報告をする時に、ひどく緊張して喉がつまって息苦しなる。息ができない感じで、小さな泣いてるような声しかでなくなる。上司に声が小さくて聞こえないと言われ、ますます緊張するようになった。もうすぐ自分の話す番だと思うと心臓もドキドキ動悸がしてきて、また失敗するのかと自分でも情けなくなる、との思いで当クリニック受診。

治療:震えはないが動悸があるので、事前にβブロッカーを服用。 精神的のみならず、呼吸筋のリラックスの目的で少量の抗不安薬も補助的に服用。動悸、息苦しさも解消して、落ち着いて報告できるようになった。

全社朝礼で頭が真っ白になる(50代男性、会社役員)

大手小売業の会社役員、通常の会議などは問題ないが、半年に1回、全社朝礼で役員として社員向けの訓話を行う。数年前に準備不足で失敗したのがトラウマになっているのか、だんだん訓話が苦痛になってきた。最近は話している途中で緊張感を感じると焦ってしまい、頭が真っ白になって話がしどろもどろになってしまう。その姿が全国の支店にテレビ中継されているかと思うと、恥ずかしさと情けなさで一杯になる。緊張に対する恐怖が強いが、震えたり動悸を感じることはないという。

治療:震えも動悸もないというが、βブロッカーを事前に服用。緊張感に対する恐怖感も強いので、抗不安薬も少量併用。これでまったく問題なく、落ち着いて訓話を行うことができるようになった。

新商品の説明会で汗だくになる(30代男性、会社員)

メーカーの営業職。通常の営業活動は問題なくできているが、取引先相手に新商品の説明会でプレゼンをすると、その最中に顔や頭から大量に発汗して滝汗になる。もともと汗かきではあるが、そのような場面ではタオル地のハンカチで顔を拭いても拭いても汗は止まらず、恥ずかしいだけでなく、取引先から商品に不都合でもあって汗をかいているのでは疑われるのでは・・などと余計な心配もしてしまう。来月、また新商品の発表会があるというので、緊張感に耐えきれなくなって当クリニック受診。

もともと汗かきの体質であるため、汗止めの内服薬を処方。説明会前に空腹時に服用するようにして発汗することもなく、無事終了。ただし、副作用の口喝で、少し話しにくかった。

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